お釈迦様の誕生日

こんにちは、加藤憲隆です。

今日(4月8日)はお釈迦様の誕生日だったので、富丘浄苑では、ご来苑くださった皆様に甘茶を振る舞いました。

 

皆さんは甘茶(あまちゃ)を飲んだことはありますか?

若い方は知らない方がけっこう多いのですが、年配の方は「懐かしいね~」なんて言ってくださったりします。

 

 

お釈迦様の誕生日をお祝いする行事を潅仏会(かんぶつえ)といいます。

他にも色々な別名があり、降誕会(ごうたんえ)、花祭(はなまつり)、仏生会(ぶっしょうえ)、浴仏会(よくぶつえ)、花会式(はなえしき)などといいます。

地域によっては5月8日にすることもあります。

 

●何をするか?

この日にお寺では、花で飾った花御堂に金属製の誕生仏をまつり、参拝者などによって甘茶が潅(そそ)がれます。

また、甘茶が振舞われます。

 

 

●解説

なぜこういう事をするのかがいまいち分かりにくいと思うので、お釈迦様誕生の時の話を交えつつ解説をします。

○以下が物語、-以下が解説です。

 

 

○釈迦族の王・浄飯王(じょうぼんおう)を父に、摩耶(まや)夫人を母に持つお釈迦様は、生母である摩耶夫人が六本の牙を持つ白象が胎内に入る夢を見て懐妊したと伝えられています。

 

-インドでは象は聖獣とされています。

 

-六本の牙というのは六波羅蜜(悟りの境地に到達するために菩薩が修める六つの行)を表現しています。

 

 

○そして出産のために里帰りする途中のルンビニの花園で、アショーカの花を手折ろうとした時に右脇からお釈迦様が産まれました。

 

-摩耶夫人が何の心配も無く安らかに出産できた事から、アショーカは無憂樹(むゆうげ・むゆうじゅ)と呼ばれるようになりました。

 

-花御堂はルンビニの花園をイメージして作られています。

 

-インドの身分制度であるカースト制度では、階級によって産まれ方が違うという設定になっているようです。バラモンは頭、クシャトリアは脇、バイシャは股、シュウドラは脛(すね)から産まれるとされています。王族はクシャトリアなので脇から、というわけです。

 

 

○生まれたときに七歩歩いて、右手で天、左手で地を指差し、

「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」

と言った、とされています。

 

-七歩というのは、お釈迦様が地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人間道・天上道の迷いの六つの世界(六道)を超えた覚りの世界に到達した覚者(仏陀)であった事を表現しているそうです。もちろん生まれてすぐに歩いたり喋ったわけではないでしょうし、生まれながらに覚りを開いていたわけではないでしょう。

 

-右手で天、左手で地を指差した形のお釈迦様の像を誕生仏と言います。

 

 

○そう言った直後、難陀(なんだ)竜王と優波難陀(うばなんだ)竜王がお釈迦様の誕生を祝って香湯(甘露)の雨を降らせました。

お釈迦様はその香湯の産湯に浸かりました。

 

-潅仏会では甘茶を金属製の誕生仏に潅(そそ)ぎます。

金属製なのは甘茶をかけても大丈夫なようにだと思われます。

 

 

ちなみに、甘茶はなかなか売ってないです。

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